私たち「梅本の里」は、年齢や性別、障がいの有無に関わらず、地域で暮らす全ての人が、それぞれの力を発揮しながら、支え合って生きていけるコミュニティづくりを「ごちゃまぜ福祉」と名付け、取り組んでいます。
お年寄りも、子どもも、障がいのある方も、地域の方も、誰かが「支える側」、誰かが「支えられる側」と分けられるのではなく、自然に関わり合える地域を目指しています。

「梅本の里」は、松山市東部の小野地区で、高齢者福祉施設や在宅サービスを運営している小規模な社会福祉法人です。私たちの特徴の一つは、「地域の思い」から生まれた法人であることです。
40年前、まだ介護サービスが十分ではなかった時代に「介護で困っている家族が安心して集まれる場所が地域に必要だ」という声から、小さな勉強会「市民の手で託老所をつくる会」が始まりました。その積み重ねが、現在の梅本の里につながっています。
特定のオーナーではなく、地域の人たちの思いによって育ってきた法人。今から思えば、当時から寄せ集め、ごちゃまぜな法人のスタートだったとも言えます。
だからこそ私たちは、地域そのものを支える存在でありたいと考えています。

福祉の現場では多くの女性職員が活躍しています。しかし以前は、結婚や出産、子育てをきっかけに仕事を続けることが難しくなり、離職につながるケースも少なくありませんでした。 「子育てをしながらも安心して働き続けられる環境をつくりたい」そんな思いから誕生したのが、事業所内託児所を併設した「デイサービスセンター小梅」でした。
そこでは、子どもたちとお年寄りが日常的に関わり合う風景が自然と生まれていきました。赤ちゃんを見て笑顔になるお年寄り。お年寄りに寄り添いながら育つ子どもたち。その姿は、職員や地域の人たちにも温かなつながりを与えてくれました。私たちはこの経験を通して、「福祉」とはサービスを提供することだけではなく、人と人が自然に出会い、関わり合える場をつくることなのだと学びました。
その後、少子化による職員構成の変化や、保育環境の充実、深刻な人手不足など、社会状況は大きく変化しました。また、新型コロナウイルスの影響によって、地域の人たちが気軽に集まり交流する日常も大きく制限されました。
そうした時代の変化の中で、「デイサービスセンター小梅」は2026年3月をもって役目を終えることになりました。しかし、そこで生まれた経験や価値観は、今も私たちの「ごちゃまぜ福祉」の原点として受け継がれています。
人と人が混ざり合うことで、お互いが支え合い、元気をもらい、生きる力が生まれていく。その実感が、現在の「いつもの」や地域づくりへとつながっています。

そんな中、私たちは石川県の「シェア金沢」の取り組みに出会います。高齢者、障がいのある方、学生、地域住民が自然に混ざり合いながら暮らすその風景は、私たちに大きな衝撃を与えました。
「福祉施設をつくる」のではなく、「人が集まり、つながる地域をつくる」。その考え方に深く共感し、梅本の里でも「ごちゃまぜ福祉」の取り組みを本格的にスタートさせました。
2020年、私たちは松山市平井町に「梅本の里 いつもの」を開設しました。地域密着型の福祉施設に加え、レストラン「いつものキッチン」や銭湯「いつもの湯」を併設し、地域の方が気軽に立ち寄れる場所を目指しています。
ここでは、高齢者も、障がいのある方も、地域の方も、自然に顔を合わせます。働く人も利用する人も、それぞれが自分の役割を持ち、自分らしく過ごしている。そんな“日常の混ざり合い”が、「いつもの」の風景です。

梅本の里には、さまざまな人が働いています。
長年さまざまな仕事で技術や経験を培ってきたシニア方は、施設の修繕や環境づくりで力を発揮してくれています。障がいのあるスタッフは、レストランでお客様との会話を楽しみながら働いています。また外国人スタッフも、それぞれの個性を活かしながらお年寄りのケアに活躍してくてれいす。
得意なことも、苦手なことも、人それぞれ。だからこそ、一人ひとりが持つ力を活かし合える関係が大切だと考えています。
「できないこと」ではなく、「できること」に目を向ける。それが、私たちの考える「ごちゃまぜ福祉」です。

私たちが目指しているのは、福祉施設をつくることだけではありません。 人と人が自然につながり、安心して暮らし続けられる地域をつくること。そして、誰もが「ここにいていい」と思える場所を増やしていくことです。
梅本の里は、地域のみなさんと一緒に、これからも「ごちゃまぜ福祉」を育てていきます。

「いつもの」に行けばあの人に会える
そんな場所をつくりたくて
「梅本の里いつもの」はうまれました。
あの人とは、地域に暮らすみなさんです。
私たち一人ひとりが
それぞれに持つ力を活かし合いながら
人とのかかわりあいの中で
いきいきと暮らし
安心してその人生を全うすることがてきる地域を
「梅本の里いつもの」でつくっていきたいと思っています。